
民泊運営においては、宿泊施設の説明や観光案内など、外国人ゲストとやり取りをする機会も多く、Airbnbの自動翻訳に頼るケースも多いかと思います。
しかし、私たちが普段何気なく使う日本語は、自動翻訳を通すと意図と違った意味に伝わってしまうことが少なくありません。
今回は、外国人相手に伝わりにくくなる原因と、自然に伝えるための日本語の工夫、そして具体的な事例をご紹介します。
自動翻訳が外国人に伝わりにくくなる原因
自動翻訳において外国人相手に伝わりにくいものになってしまう主な原因は以下のようなものがあります。
- 曖昧な表現をそのまま使っている
例:「〜など」「〜もできる」などは、意味がぼやけて誤解を招きやすい。 - 主語・述語が省略されている
例:「すぐ近くにあります」では、「何が?」が翻訳で抜け落ちる危険がある。 - 一文が長すぎる・接続詞が複雑
例:「〜ながら」「〜つつ」などが入ると、機械翻訳が正しく文脈を認識できない。 - 比喩や慣用句をそのまま使っている
例:「手ぶらでOK」「心癒される」は、そのままでは意味が通じない。 - 漢字や抽象語が多く、具体性がない
例:「格安」「絶景」など、主観的な表現は翻訳が曖昧になる。
日本語の自然な表現をそのまま使用してしまうと、自動翻訳の結果、本来の意図が相手に伝わっていないという可能性もあるのです。
外国人に自然に伝わる翻訳をするための5つのポイント
では、自動翻訳を活用しながらも、より「伝わる」文章として日本語で指示するために気をつけた方が良いこととして、次の5つのポイントがあります。
- 曖昧な言葉を避け、具体的に書く
→ 「スーパーなどが近くにあります」ではなく、「徒歩5分以内にスーパーがあります」 - 主語と述語を必ず入れる
→ 「チェックアウトは10時までに完了してください」 - 一文を短く、文と文を区切る
→ 長い説明を区切り、単純な文の連続にすることで誤訳を防ぐ。 - 比喩・感情表現を避け、事実を述べる
→ 「のんびりできる」ではなく「大きなソファでゆっくり過ごせます」と具体化する。 - 選択肢や条件がある場合ははっきり書く
→ 「荷物預かりをご希望の場合は、事前にご連絡ください」
実際のメッセージ○×事例
シチュエーション | 適さない日本語 | 誤解リスク | 適した日本語 |
チェックイン案内 | 「よろしければ15時以降にお越しください。」 | 来なくてもいい?と誤解される | 「チェックインは15時以降可能です。15時以降にお越しください。」 |
荷物預かり | 「ご希望があれば対応可能です。」 | 希望するか曖昧に伝わる | 「荷物預かりをご希望の場合は、事前にお知らせください。」 |
ハウスルール説明 | 「室内ではお静かにお願いします。」 | 静かにするのは任意?と取られる | 「室内では必ず静かにお過ごしください。」 |
近隣案内 | 「駅やスーパーもあって便利です!」 | 位置があいまいに伝わる | 「徒歩5分以内に駅とスーパーがあります。」 |
チェックアウト案内 | 「10時くらいまでにお願いします。」 | 多少遅れても大丈夫?と誤解される | 「チェックアウトは10時までに完了してください。」 |
自動翻訳向け修正ChatGPTプロンプト
日本語を自動翻訳する際に適切に修正してくれるプロンプトを作成しましたので、以下の四角内をそのままコピーしてChatGPTにてご活用ください!
以下の日本語文章を、自動翻訳(Google翻訳等)されることを前提に、正確な意味が伝わるように修正してください。
その上で、「元の文」「修正後の文」「改善点」を表形式で提示してください。
【修正ルール】
・曖昧な語(など、も可能)を避けて具体的にする
・主語・述語の省略を避ける
・一文を短くし、構造をシンプルにする
・日本独自の表現や慣用句は避ける
原文:
[ここに日本語文を入力]
出力形式:
項目 | 内容 |
---|---|
元の日本語 | … |
修正後の日本語 | … |
翻訳精度が改善される理由 | … |
日本語は、もともとあいまいさやニュアンスの豊かさを大事にする言語です。
しかし、外国人とのコミュニケーション、特に自動翻訳を経由する場合には、
「短く、具体的に、わかりやすく」書くことが必須です。
少し言葉を意識するだけで、ゲストとのやり取りは格段にスムーズになり、
トラブルや誤解も減らすことができます。
これからの時代に求められるのは、“自動翻訳されても伝わる日本語力” なのかもしれません。
—このコラムを書いた人—
ゆめゆめトラベル https://www.yumeyumetravel.com/

ゆめゆめトラベル 代表 浅井 夢
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住宅宿泊管理業者
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登録年月日:令和6年2月15日