住宅宿泊管理業者とは？完全委託型と再委託型の違いや選び方のポイントを解説！

投稿日 2025年2月14日
更新日 2025年2月17日
著者 sugiura@obot-ai.com
カテゴリー民泊コラム

近年、国内の旅行者の増加や訪日外国人観光客が増加したことで、遊休不動産の有効活用や新たな投資ビジネスとして、民泊運営が再注目されています。

しかし、8割以上の民泊運営スタイルに当てはまる「不在型民泊」においては、ホストが自分で民泊運営をすることはできず、民泊運営のプロフェッショナルである「住宅宿泊管理業者」に全ての民泊業務を委託しなければいけないということを知らなったという方も多いのではないでしょうか？

住宅宿泊管理業者には、民泊運営業務を全てを任せる「完全委託型」と、民泊運営業務を必要に応じてホスト自身にも再委託できる「再委託型」があり、自分の運営スタイルに合った選択をすることが重要です。

本記事では、不在型民泊の運営における「住宅宿泊管理業者」の役割やよくある誤解、コストを抑えつつ自分らしい民泊運営ができる「再委託型」住宅宿泊管理業者の選び方について、わかりやすく解説します。

住宅宿泊管理業者とは

住宅宿泊管理業者とは、民泊運営の専門知識を有したプロフェッショナルとして国土交通省の登録を受けた者を指します。

ホストがゲストと同じ建物・部屋に居住しない「家主不在型」で民泊を行おうとする場合、住宅宿泊管理業者にゲストへの対応・清掃・緊急時の駆けつけなど、全ての民泊運営業務を委託しなくてはいけません。

ここでは、住宅宿泊管理業者について詳しく解説していきます。

住宅宿泊管理業者の定義と役割

住宅宿泊管理業者とは、家主不在型の民泊運営をホストに代わって実施する業者で、民泊新法において、家主不在型の民泊を運営する際には、住宅宿泊管理業者との契約が必須とされています。

住宅宿泊管理業者は、国土交通大臣からの登録を受ける必要があり、登録のためには講習受講と試験への合格、そして登録免許税として9万円が必要となり、5年ごとに登録の更新をしなければなりません。

住宅宿泊管理業者は、民泊運用計画を含む「住宅宿泊管理委託契約書」の作成を行い、ホストが法令を遵守しながらサービスを提供できるようサポートする重要な役割を担っています。

この契約書は、ホストが保健所に民泊の届出を行う際に必ず提出が求められます。

「住宅宿泊管理委託契約書」には、ゲストの本人確認や鍵の受け渡し、清掃や設備点検、苦情対応など、民泊運営に必要なさまざまな業務を具体的に誰がどのように行うのかという運用計画が記載されているものであり、法に基づいた正しい民泊運営の指針となるものです。

家主不在型の民泊を運営する際には、専門知識を有した住宅宿泊管理業者の管理責任のもとでしか、民泊運営をすることができないので注意が必要です。

民泊運営で住宅宿泊管理業者が必要な理由

家主不在型の民泊運営において住宅宿泊管理業者が必要な理由は、法律を遵守した運用の設計とその管理監督にあります。

住宅宿泊事業法（民泊新法）では、民泊の運営において全ての民泊業務を専門家である住宅宿泊管理業者に委託することが義務付けられており、これは、法で定められた正しい運用をすることにより、ゲストの安全を確保し、近隣住民とのトラブルを未然に防ぐことができるためとなっています。

具体的な民泊業務には、「宿泊者への対応に関する業務」、「清掃・衛生業務」、「住宅・設備管理及び安全確保業務」の大きく3つの業務があります。

これらの中でも、ゲストの本人確認や鍵の管理、24時間対応の緊急駆けつけといった業務は民泊運営において非常に重要な要素であり、正しい運用設計が求められます。

住宅宿泊管理業者は、これらの複雑な業務を専門的かつ効率的にサポートし、専門知識のないホストが誤った運営をしないよう、住宅宿泊管理業者の指導により、正しい民泊運営をすることが可能です。

住宅宿泊管理業者選びの2つの誤解とは

住宅宿泊管理業者を選ぶ際、多くの初心者が抱きがちな2つの誤解があります。

それは、「民泊物件の近くの住宅宿泊管理業者でなければならない」「民泊業務運営を自分自身で行うことはできない」の2つです。

これらの誤解は、住宅宿泊管理業者選びの選択肢を狭め、ホストが思い描く理想の民泊運営を妨げる可能性があります。

ここでは、住宅宿泊管理業者選びの2つの誤解について詳しく解説します。

民泊物件近くの住宅宿泊管理業者でなければならない

多くの民泊初心者が「物件の近くにある住宅宿泊管理業者を選ばなければならない」と考えがちですが、決してその必要はありません。

再委託型の仕組みを活用すれば、全国対応の住宅宿泊管理業者でも問題なく運営が可能です。

現地で常時対応が必要な業務は、主に「緊急駆けつけ業務」「清掃業務・ゴミ処理」です。

再委託型では、これらの業務を、ホスト自身や信頼できる第三者に再委託することができます。

例えば、札幌の民泊物件を運営する場合でも、駆けつけや清掃・ゴミ処理を請け負ってくれる個人または業者を現地で見つけることができれば、東京にある再委託型の住宅宿泊管理業者でも良いということになります。

この仕組みにより、住宅宿泊管理業者の所在地に縛られず、自分に合った最適なパートナーを全国から選ぶことができます。

また、全国対応の住宅宿泊管理業者は広範囲の経験と豊富な実績を持ち、異なる地域の特性や法律に精通しているため、安心して任せられる点もメリットです。

このように、再委託型を利用することで、物件近くに住宅宿泊管理業者がいない場合でも、柔軟で効果的な民泊運営が可能となります。

民泊業務運営を自分自身で行うことはできない

「民泊業務運営を自分自身で行うことはできない」と考える方も多いですが、これも誤解です。

実際には、再委託型の民泊管理を選択すれば、ホスト自身やその家族、知人に一部の業務を再委託してほぼ自主運営に近い形で運営することが可能です。

この仕組みでは、一部の民泊業務は住宅宿泊管理業者が担当しますが、それ以外のほとんどの業務、例えば、ゲストの本人確認や緊急駆けつけ、清掃やゲスト対応、チェックインのサポートなどはホストが行うことができます。

これにより、運営コストを抑えられるだけでなく、自分らしいホスピタリティを提供することができます。

さらに、家族や知人と協力して運営を行うことで、ゲストとのコミュニケーションを楽しむなど、民泊運営の魅力をより直接的に感じることができます。

再委託型の民泊管理を選択することで、柔軟に清掃業者等を変更でき、住宅宿泊管理業者に全ての業務を行ってもらうよりも、効率的かつコストコントロールがしやすい民泊運営が実現できます。

【住宅宿泊管理業者】完全委託型と再委託型の違いとは

住宅宿泊管理業者は、民泊運営業務を全てを任せる「完全委託型」と、民泊運営業務を必要に応じて再委託できる「再委託型」があり、この2つの違いをしっかりと理解することが重要です。

まず、「完全委託型」は、物件の運営に関わる全ての業務を住宅宿泊管理業者に一任するスタイルで、ゲスト対応・清掃・設備管理・トラブル対応など、運営業務全般をプロに任せられるため、ホストの業務に直接関わる時間的負担を最小限に抑えられるのが特徴ですが、その分費用はかかります。

一方、「再委託型」は、住宅宿泊管理業者が法的に必要な部分のみを担当し、それ以外の業務をホストやその家族、知人などに再委託するスタイルで、ゲストとのコミュニケーションや清掃をホストが行うことで、「完全委託型」よりコストを抑えつつ、自分らしい民泊運営を実現できます。

このスタイルで自分たちにノウハウを蓄積していくことで、運営のクオリティや効率性も高めていくことが可能となります。

「完全委託型」は、忙しいためコストをかけても良いから民泊業務に関わりたくない方や複数物件を運営していて自分だけでは運営に手が回らない方に向いています。

一方、「再委託型」はコスト重視で、自分も運営に積極的に関わり清掃などの委託先をコントロールし、民泊の経験とノウハウを身につけたいという意欲のある方に適しています。

【全国対応】おすすめの「再委託型」住宅宿泊管理業者

画像出典：ゆめゆめトラベル

自分で民泊の運営・計画をしたい方には、「再委託型」住宅宿泊管理業者との契約が必要となりますが、そんな方におすすめなのが、再委託民泊のパイオニア「ゆめゆめトラベル」です。

「ゆめゆめトラベル」は、全国対応の再委託型住宅宿泊管理業者として、2018年の民泊新法施行時より「再委託型」の方法を通じて多くのホストの主体的な民泊運営を支援してきました。

月額1,200円（税抜）からというリーズナブルな料金で利用でき、ホストの「コストを抑えたい」「自分で管理したい」という多くのホストが抱える悩みに応える住宅宿泊管理サービスを提供しています。

「ゆめゆめトラベル」は、民泊新法（住宅宿泊事業法）に則った運営方法を採用しており、
再委託型民泊管理実績8年・全国管理実績1,000件以上の管理実績（※2025年1月時点実績）があります。

サービスの手続きは全てオンラインで完結でき、運用計画の内容に問題なければ、最短1日で全ての手続きが完了するのも魅力です。

※2025年1月時点実績：全国42都道府県を実績でカバー（宮城県、秋田県、富山県、鳥取県、徳島県を除く）・都内23区は民泊拒絶区（千代田区、中央区、江東区、荒川区）を除く全てを実績でカバーしています。

また、「ゆめゆめトラベル」の代表は、自身も民泊を運営するホストです。

2018年に住宅宿泊法が施行された際、多くのホストと同様に「住宅宿泊管理業者に委託するのではなく、自分で運営したい！」という不満を抱いたことがきっかけで、自ら住宅宿泊管理業者となり、同じような悩みや不満を抱えるホストを支援するために、このサービスを立ち上げました。

そのため、ホストの自由で主体的な民泊運営を応援することを理念としており、代表自身が現在も不在型のホストであるという強みを活かし、より具体的かつ実践的なアドバイスができる点が特徴です。

ゆめゆめトラベル運営者について

「再委託型」住宅宿泊管理業者の魅力とは

「再委託型」住宅宿泊管理業者は、コストパフォーマンスに優れているだけでなく、ホスト自身が運営に積極的に関与できる柔軟性が魅力となります。

ここでは、「再委託型」住宅宿泊管理業者を選ぶことによる具体的なメリットについて詳しく解説します。

コストパフォーマンスの良さ

「再委託型」住宅宿泊管理業者を選ぶメリットの一つに、高いコストパフォーマンスが挙げられます。

完全委託型の場合、すべての業務を住宅宿泊管理業者に任せるため、運営費用が高額になる傾向がありますが、再委託型では、法的に必要な最低限の管理業務を住宅宿泊管理業者に任せつつ、それ以外の業務をホストやその家族、知人、リーズナブルな業者に再委託することで、運営コストを大幅に削減することが可能です。

例えば、ゲスト対応や清掃業務をホストで行うことで、外部に依頼する費用を抑えながら、民泊運営の収益性を高めることができます。

また、必要最低限のサービスだけを住宅宿泊管理業者が行い、それ以外を再委託する仕組みは、予算に合わせた柔軟な運営を実現できるので、運営状況に合わせた再委託先の変更・管理により、民泊運営のランニング費用を抑えたいホストにとって、非常に魅力的な選択肢と言えます。

運営の自由度

「再委託型」住宅宿泊管理業者を利用することで、ホストが行いたい業務を選択できるため、運営に積極的に関わることができ、自分のスタイルやアイデアを反映した民泊運営が可能となります。

例えば、ゲスト対応を都度改善したり、清掃などの業者もコストやクオリティを踏まえて柔軟に変更できるので、民泊運営の質を高めながら、コストを抑えた運営が可能となります。

また、物件の掲載情報のブラッシュアップ、提供するサービス内容や価格設定などを自分で柔軟に調整することで、民泊運営のノウハウを身につけながら、質を高めていくことができます。

そのため、今後複数件民泊を立ち上げたいと考えている方にはぴったりの方法と言えるでしょう。

さらに、直接ゲストと関わることで、フィードバックを活かした運営改善も行いやすくなり、独自性のある民泊運営を実現できます。

専門知識と経験

自由で主体的な民泊運営を行いたい場合、「再委託型」住宅宿泊管理業者との契約が必要ですが、民泊運営を始めたばかりの人にとって、どのように民泊運営計画を立てるべきかわからないことが多いかと思います。

「再委託型」住宅宿泊管理業者は、申請時に必要な運用設計を含む契約書類の作成や、申請後の民泊運営のアドバイスとサポートをする立場であり、法令遵守の責任を負うため、ホストに対して正しい方法でかつ実践的な民泊運営の助言を行うことが求められます。

そのため、民泊運営において生じるあらゆる問題・リスクに対し、ホストにアドバイスできるだけの豊富な経験や知識を有することが求められます。

ただ単に民泊業務を再委託するだけでなく、ホストに対して適切な運営方法や法令遵守のための情報提供をする再委託型の住宅宿泊管理業者を選ぶ必要があります。

例えば、ホストが違法運営を避け、安全かつ適法に事業を進められるよう、民泊新法（住宅宿泊事業法）や地域ごとの条例に基づいた運営方法のアドバイスや、民泊運営に必要な知識やスキル（宿泊者名簿の取得方法、鍵の受け渡しや本人確認の方法、清掃管理など）を伝授し、ホスト自身の民泊運営スキルを向上させる心強い味方となることが求められます。

さらに、騒音やタバコ、ゴミの出し方など、ゲストと近隣住民との間で起こり得るトラブルを未然に防ぐための具体的な対策や、ゲストへのルール説明や緊急時の対応方法など、専門的なアドバイスやツールの提供を受けることで、より効率的な運営が可能になります。

このような「専門的なアドバイス」は、ホストが安心して民泊運営を行えると同時に、ゲストにとっても満足度の高いサービスとなり、結果として収益の最大化につながる重要なサポート要素となります。

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「再委託型」住宅宿泊管理業者の選び方

「再委託型」住宅宿泊管理業者を探す際、その選び方にはいくつかのポイントがあります。

ここでは、初心者が失敗しないための「再委託型」住宅宿泊管理業者の選び方について解説します。

再委託する業務内容を理解する

再委託型の民泊運営では、住宅宿泊管理業者が受託した民泊業務の一部を、再び別の業者やホスト自身に再委託する民泊運営の形態を指します。

「再委託型」住宅宿泊管理業者ごとに再委託してくれるサービスの範囲や質、料金、サポート内容は異なってくるため、自分の運営スタイルやニーズに合った住宅宿泊管理業者を選ぶための大きな判断基準となります。

例えば、再委託可能な業務は法律で限定されており、以下は主な再委託可能な業務となります。

【清掃・衛生管理】宿泊施設の清掃や消耗品の補充など
【設備管理】設備の点検や修理対応
【宿泊者対応】チェックイン・チェックアウトのサポートや問い合わせ対応
【緊急対応】トラブルや緊急事態への迅速な対応
【宿泊者名簿の作成・保管】法令で義務付けられている宿泊者情報の管理

これらの業務内容を正確に理解し、どの部分を住宅宿泊管理業者が行い、どの部分を自分や身内、外部業者に再委託するのかを決定することが重要となります。

また、再委託先が見つからない業務がある時に、どのように再委託先を見つければ良いかなど具体的なアドバイスをもらえるかどうかも重要となってきます。

価格

「再委託型」住宅宿泊管理業者を選ぶ際、価格は事業の収益性に直結するため、非常に重要な要素です。

民泊運営では、管理業務の委託費用が高すぎると利益が圧迫され、事業の持続可能性が低下してしまうので、適切な価格でサービスを提供する住宅宿泊管理業者を選ぶことが、コスト削減と収益最大化の鍵となります。

再委託型では、清掃や設備管理、ゲスト対応などを自分が選んだ個人・法人に再委託することができるため、例えばホスト自身で行ったり、リーズナブルな業者に再委託するなど再委託先の選定ができるので、コストを自由にコントロールすることができます。

価格は大事なポイントですが、同時に住宅宿泊管理業者の提供するサービス内容が自分のニーズに合っているかを確認することも大切で、「初期費用や月額費用の透明性」「再委託可能な業務範囲」「サポート内容・範囲」など、費用対効果（サービスの質と価格のバランス）を踏まえ、自分の運営方針や予算に最適な住宅宿泊管理業者を選ぶことが重要です。